糖尿病と運動療法|中高年の初心者におすすめの有酸素運動と軽負荷トレーニング

糖尿病の管理では、食事療法と並んで運動療法がとても重要です。適切な運動は血糖値の改善に役立つだけでなく、合併症の予防にも効果があることが分かっています。

とはいえ、中高年になってから運動を始めるのは不安…という方も多いでしょう。ここでは、糖尿病に有効な運動療法として、有酸素運動(ウォーキング・サイクリングなど)と軽い筋力トレーニング(自重スクワット・かかと上げなど)を、中高年の運動初心者でも安心して始められるようにわかりやすく解説します。

有酸素運動の効果|ウォーキング・サイクリングなど

有酸素運動とは、酸素を取り込みながら持続的に行う運動で、代表例はウォーキングやサイクリングです。

血糖値改善の理由は、運動により筋肉がブドウ糖を多く取り込み、血中の糖分を消費するためです。さらにインスリンの働きも良くなり、糖尿病のコントロールがしやすくなります。

おすすめの運動量:

  • 週150分程度(30分×週5回)を目安
  • 最初は1回10分からでもOK
  • 食後30〜60分後が特に効果的

ウォーキングは継続しやすく、サイクリングは関節への負担が少ないため膝に不安のある方にも適しています。

軽い筋力トレーニングのすすめ

筋力トレーニング(筋トレ)は、筋肉を鍛えて代謝を上げ、糖の消費を促進します。筋肉が増えることで、血糖値をコントロールしやすくなり、肥満や生活習慣病の予防にもつながります。

週2〜3回の頻度で、1日おきに行うのが理想的です。以下は自宅でできるおすすめの軽負荷筋トレです:

運動名方法主な効果
自重スクワット椅子に座るようにゆっくり膝を曲げて戻す太もも・お尻の筋力アップ、代謝向上
かかと上げ壁に手をついて、かかとをゆっくり上下ふくらはぎの血流改善、転倒予防

1回につき10回を2〜3セット、呼吸を止めずに行うのがポイントです。

運動初心者でも続けられるコツ

  • 短時間から始める:最初は10分でもOK。体調に合わせて少しずつ時間を延ばしましょう。
  • 準備運動を忘れずに:ウォーミングアップとクールダウンを行うことでケガを予防します。
  • 毎日でなくてもOK:週2〜3回の継続が大切。1日サボっても気にせず続けましょう。
  • 楽しみながら:音楽や景色を楽しんだり、仲間と一緒に運動するのも継続のコツです。
  • 医師に相談を:糖尿病の状態や合併症がある方は、運動開始前に主治医に確認しましょう。

まとめ|運動で血糖コントロールと健康寿命を延ばそう

中高年の糖尿病患者さんにとって、有酸素運動と軽い筋トレは血糖値の安定と全身の健康維持に効果的です。無理なく、楽しみながら継続することが成功のカギ。

まずは今日から10分のウォーキングや簡単なスクワットを始めてみませんか?将来の自分の体を守る第一歩になります。