【木造 vs 鉄骨】家のメンテナス、知っておきたいポイントとは?

家は建てたら終わりではなく、「維持する」こともとても大切。
今回は、木造と鉄骨住宅のメンテナンス性の違いや、注意すべきポイント、さらに「楽しめるメンテナンス」という考え方についてもご紹介します。


◆ 基本の考え方:構造体のメンテナンス性は鉄骨に軍配?

よくある比較では、木造は「シロアリが怖い」、鉄骨は「サビが怖い」と言われます。
しかし近年は、鉄骨に施される防錆塗装の性能が非常に高く、サビによる構造劣化の心配はほとんどなくなっています。

一方、木造住宅は構造材が生物素材であるため、湿気やシロアリに注意が必要。特に「イエシロアリ」の被害は深刻で、女王アリ1匹で100万個もの卵を産むと言われています。

つまり、木造住宅は定期的な点検や湿気対策が必須。一方で、鉄骨住宅は構造体のメンテナンスが少なくて済む場合が多いという特徴があります。


◆ メンテナンスに影響する3つの要素

  • 屋根材:スレートよりも瓦の方が長寿命・メンテナンスフリー
  • 外壁材:塗装サイディングよりもタイル張りの方が劣化しにくい
  • 建物形状:2階建てよりも平屋の方が足場が不要でメンテナンスが安い

素材や設計によって、将来のメンテナンス費用は大きく変わってきます。


◆ メーカーごとに異なる「メンテナンスの価値観」

実は、ハウスメーカーによって「メンテナンスをどう捉えるか」は違います。

● メンテナンスは“極力減らしたい”と考える理系志向メーカー

  • 例:パナソニックホームズ、セキスイハイム、一条工務店 など
    → タイル外壁や高耐久屋根などで長期メンテ不要を目指す

● メンテナンスを“楽しみや味わい”と捉えるライフスタイル型メーカー

  • 例:スウェーデンハウス、住友林業、三井ホーム など
    → 木製窓や塗り壁の経年変化を「家の成長」として楽しむ

「手間をかけたくない」か「手間をかける楽しみがあるか」、どちらの価値観に近いかでメーカー選びも変わってきます。


◆ シロアリ対策は木造の宿命。湿気管理がカギ!

木造住宅の大敵・シロアリは、湿気のある場所を好みます。特に要注意なのは次のようなケース:

  • プランターや花壇を家のすぐそばに置いている
  • 浴室や洗面所の通気が悪い
  • 床下が高湿度になっている

これらは家に湿気をためこみ、シロアリを呼び寄せてしまう原因となります。
木造住宅では、設計時から通気や防蟻処理、周辺環境への配慮が非常に重要です。


◆ メンテナンスを「楽しむ」という考え方も

「将来また塗り替えか…」ではなく、「家も自分たちと一緒に変化していく」と考えるスタイルもあります。

例えば、住友林業や三井ホームでは、外壁の塗り替えや木部のメンテナンスを「家の衣替え」として捉え、
10年・20年後に家をアップデートする楽しさを提案しています。

これは“家を育てる”感覚に近く、愛着を持ち続けたい人にはぴったりの選択肢です。


◆ まとめ:メンテナンスは「楽にしたいか」「楽しみたいか」で選ぶ

  • 鉄骨は構造体の劣化が少なくメンテが楽
  • 木造はこまめな点検と湿気対策が必須
  • 素材・屋根・外壁でメンテ費用が大きく変わる
  • 「手間を減らす」か「手間を楽しむ」かで合うメーカーが違う

将来の維持コストやライフスタイルまで考えた上で、「メンテナンスとの付き合い方」を家づくりに取り入れてみましょう。